ブログ ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東川

その昔、天人峡の近くの東川という集落に弓人という心優しい若者がいました。ある日、父に命じられて狩りの修行にいきました。ところが修行先で油断した際に山賊に襲われ、大切な弓を盗まれてしまったのです。失意の弓人は細い滝のそばに湧く温泉を見つけました。疲労困憊の体で湯につかっていると体の奥底から力が湧いてきました。元気を取り戻した弓人は、若い娘のすすり泣く声に気が付きます。その声は山賊に羽衣を盗まれ天の国に帰れなくなった天女のものでした。「かわいそうに。なんとか羽衣を取り返してあげよう」と、弓人はこっそり山賊の隠れ家に近づき、山賊たちの飼っている大切な馬にブドウのツルで大きな木の幹を巻き付かせ、あたかも人が乗っているように見せかけて馬を山に放しました。すると酒に酔っていた山賊たちは誰かに馬が盗まれたと思い慌てて追いかけていきました。弓人はその隙に羽衣を取り戻すことができました。その羽衣を天女に返してあげると、そのお礼にと天女は美しい羽衣の舞を披露しました。するとなんと今まで細い流れだった滝が羽衣の形をした大きな滝に姿を変えたのです。やがて天女は弓人に別れを告げ、天の国へと戻りました。

http://www.agtec.co.jp/tnk/?page_id=632

忠別川の上流付近にある天人峡には、上記のような羽衣伝説が残っているそうで
この「細い滝」こそが、東川町での代表的な観光地の一つである「羽衣の滝」とのこと

こんな話もあります

この滝は、明治3年(1870)頃に発見され、大正7年に文人である大町桂月氏により、景観の素晴らしさと水の流れが羽衣を思わせることから、羽衣の滝と命名されたと言われています。

https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/175776

なんにせよ、高さ270mという絶壁から、7段の岩肌を折り曲がって流れていく水の流れを見て
昔の人たちは豊かさや美しさを見出したんだと思います

羽衣の滝。納得の迫力でした

またこの地域は有名な温泉地でもあり、特に高度経済成長期以降は
北海道内外問わず、平日休日関係なく、たくさんの観光客でにぎわっていたそうです

そんな天人峡温泉でしたが、現在はほとんどのホテルが営業停止となり、廃ホテル状態に
(現在営業中のホテルは、「しきしま荘」という旅館のみ)

今年の10月には解体工事が始まるとのことで、ある意味貴重な写真になるかもですね

ホテルの跡地はいったい何になるのでしょうか、少し楽しみです

以上、スナーク東川事務所からでした